ウォーキングの神ルール
みなさんこんにちは(^^)/ 北習志野えんどう内科 院長のえんどうです。
今日のテーマは運動の基本ともいえる「ウオーキング」です。
誰でも気軽にできて、お金も一切かからないウオーキング
これができればあなたの血糖値はますます改善していきます。
血糖値改善だけでなく、ストレス開放や血行改善、美容にもgoodです。
ぜひともできる範囲から実行していきましょう(^^)
そもそも、どのくらいの強度で運動をおこなえばいいのでしょうか?
これを具体的に知っていると、同じ時間歩くにしても効果の差は「天と地」です。
答えを先にいってしまうと
糖尿病の運動療法における適度な脈拍数の目安
59歳以下 …… 120拍/分
60歳以上 …… 100拍/分
です。
運動強度は、運動開始時から一気に上げると負荷が強いため、
運動開始後から徐々に上げていき、120拍/分または100拍/分を保ちます。
「先生。脈拍が100とか120とかいわれてもわからないよ・・」
ですよね(^^)/
失礼いたしました。
お答えします。
この脈拍数は、感覚的には「他人とおしゃべりしながら続けられる程度の運動」です。
鼻歌が歌えるくらいのんびりした散歩では少し弱いといえます。
逆に、隣の人と会話が一切できないくらいの速さで歩いてしまうと強すぎることになります。
特に高齢者では、脈拍数の多い運動は心臓に大きく負担がかかるため、
適度な脈拍数を超えないよう注意します。
脈拍計などの機器を使うと、脈拍数をリアルタイムで計測することも可能です。
(※アマゾンでしたら3000円くらいで買えます)
続いて、「1日当たりの歩数」と、「週に何回くらいやればいいのか」の目安についてです。
じつは、ウォーキングをはじめとする有酸素運動の継続時間は、
「20分×1回」の運動を行った場合でも、「5分×4回」でも、
同じ効果が得られることがわかっています。
時間がとれる方は、1回10~30分間程度の有酸素運動を週3日行います。
運動好きな人にはこちらの方がおススメです。
まとまった時間をとるのが難しいようでしたら、
日常生活の中で取り入れてしまうのがいいでしょう。
例えば、通勤の際、1駅手前で降りて歩いてみたり、
日常生活の一部である「買い物」や「犬の散歩」などを、
すべりこむように取り入れてしまうのです。
エスカレーターやエレベーターは使わずに階段を使う。
洗濯干しや掃除といった家事など、細切れにでもいいので、
とにかく意識して体を動かす!ことが大切です。
極論してしまうと、「じっとしている時間を減らせばいい」
といえます。
歩数としては、1日あたり8,000歩を目指します。
(時間としてはおおよそ1時間。消費カロリーは250kcal前後となります)
では、「どのタイミングで」運動を行うのがよろしいのでしょうか?
糖尿病の患者さんでは、食後の急激な血糖の上昇が問題となります。
そのため、食後30分~2時間の間に運動を実施することが、
食後高血糖を抑える意味で効果抜群です。
しかし、仕事などで食後の運動が難しいという場合もあります。
運動を継続するためには、個々に適したライフスタイルに合わせ
最も実施しやすい時間をつかっていただければ問題ありません。
逆に、運動を避けたほうが良い時間帯としては
・空腹時 ・朝食前
・深夜 ・気温が極度に高かったり低かったりするとき
などがあげられます。
運動を開始しても運動中に気分が悪くなった場合などは、
直ちに運動を中止するようにしましょう。
はい。
では、ここからは具体的にどんなウォーキングがいいのか?
についてフォーカスをあててお話を進めていきたいと思います。
【ウォーキングの神ルール】
まず前提として、運動強度には「低強度」「中強度」「高強度」があります。
・ 低強度・・・簡単な家事、ゆっくりとした散歩
・ 中強度・・・速歩き、犬の散歩、山歩き
・ 高強度・・・ジョギング、ジャンプ
前回のお話で、運動を行う強度は「中程度がいい」というお話をさせていただきました。
今回、1日あたりの歩数は「8000歩」がおススメという話もしました。
これは何となく気分で決めたわけではなく、ふか~いわけがあります。
ある地域で、65歳以上の方5000人を対象にした大規模研究結果によると
「1日8,000歩・速歩き20分」している人は、それ以下の活動量の人に比べて、
糖尿病の発生率がガツンと低かったのです。
また、すでに血糖値が高い人でも、「1日8000歩・速歩き20分」を実践することで
血糖値が下がることがわかりました。
すなわち、「8000歩」というのが、効率的に血糖値が改善するデッドラインな歩数なわけです。
それも、「速歩き」でおこなうのがポイントです。
しかし、普段運動しない人がいきなり「1日8,000歩・速歩き20分」は難しいかもしれません。
足りない歩数や速歩きの時間は、徐々に増やしていくといいでしょう。
ペースとしては、2ヶ月かけて2,000歩ずつ増やしていくのがおススメです。
たとえば、「1日4,000歩・速歩き5分」なら、2ヶ月過ぎたら「1日6,000歩・速歩き10分」
さらに2ヶ月かけて「1日8,000歩・速歩き20分」にしていくという感じです。
少しずつ歩数や運動強度を上げていきましょう。
あくまでも自分ができる範囲でおこなうことが、何よりも大切ですから。
さらに、話はそれだけではありません。
ここからが「運動らしくない運動療法」の本骨頂です。
話しがガラッと変わりますので、少しこんがらがるかもしれませんが
上記のようにまとまった運動時間がとれない方へ朗報です。
(※まとまった時間のとれる方や、運動がお好きな方は
是非とも8000歩・20分速歩きをベースにして、さらにレベルアップしていくことをおススメします(^^)/))
その名も「ちょこちょこウォーキング」です。
1回につき5分ぐらいの『ちょこちょこウォーキング』でも十分効果がある
ということです。
あなたは先生からこんなお話をされたことはありませんか?
医師)運動は一回20分以上やらないとだめだよ。
それ以下の時間じゃ糖質は燃えるけど脂肪が燃焼しないから。。
「ピン!」 ときたあなたはさすがです。
「非常識な食事療法」の記事で書かせていただいた公式を覚えていますか?
他の全ては忘れてもいいから覚えてほしい!とわたしが懇願したあの公式です。
糖質の摂取=血糖値の上昇
すなわち、脂肪の燃焼は血糖値の改善にはどうでもいいのです。
あくまでもキーワードは「糖質」にあります。
では、そのお話をしていきましょう。
歩きはじめるとまず血糖が燃焼を開始します。
ウォーキング開始後、20分ごろまでは脂肪よりも血糖の方が燃焼する比率が高い
(ここポイント!脂肪も燃焼します)のですが、やがてこの比率が逆転するのです。
つまり、「○○分以上歩かないと脂肪が燃えない」のではなく、
時間が経つにつれて脂肪が燃焼する割合が増えるというわけです。
ですから、時間や体力に余裕があるときは20分以上歩くほうが脂肪燃焼には効率的ですが、
5分ずつ数回に分けて歩いた場合でも毎回血糖は燃焼するため、血糖値の改善には有効
なのです。
1回5分であれば、通勤時や買い物時でもできますし、3回以上おこなうことも可能でしょう。
よくお医者さんから、「目標は1日1万歩」とよく言われますが、
それは何のためか、本当の理由をご存知でしょうか?
じつは、1万歩を歩くと、約300キロカロリーが消費できます。
これは、加齢によって低下する基礎代謝の分を補うためなんです。
※基礎代謝=寝ていても起きていても、
空気を吸っているだけで自然に消費するカロリー量のことです。
加齢とともに基礎代謝が落ちてきてしまうため、この失われた基礎代謝分を
人工的に作り上げて補ってやろうということです。
しかし、歩数はあくまで目安です。
「今日は5000歩しか歩かなかったので、明日は1万5000歩を歩きます」とか
無理をされる必要は全くありません。
肝心なことは、ウォーキングを習慣化することです。
仮に1万歩を歩く場合は、1時間20分ほどの時間になりますから、
毎日だと無理があって続かないことにもなりかねません。
また、無理な長時間のウォーキングは、
膝や腰などの筋肉痛、関節痛、疲労などをまねく恐れもあります。
しかも、仕事をしながらウォーキングを続けたい方にとっては
まとめて1万歩を歩くよりも
「ちょこちょこウォーキング」のほうが、
継続や、体に無理がない点でむしろ健康効果は高い!といえるでしょう。
『ちょこちょこウォーキング』の運動効果を高めるポイントは5つあります。
ひとことで言うと、
「理想的なフォームで、速足で歩く」ことです。
次の5つのポイントを意識して実践してみてください。
1.背筋を伸ばして真っ直ぐに立ち、視線は遠くに向ける。
2.かかとから着地して、おや指の付け根で地面をしっかりと蹴る。
3. ひじを直角に曲げ、腕を後ろに引くように意識して大きく振る。
4.腹筋に力を入れながら、歩幅はなるだけ広めに保つ。
5.20m先の風景を楽しむ感覚で歩
「運動療法が続かない原因第1位」はなにか知っていますか?
答えは、、
「継続がムズかしいから」なんです。
それは、
一回10000歩必ず歩かないといけない、最低20分以上やらないと効果がない
といった、誤った情報を、われわれ医療関係者が流してしまったことが原因なのです。
この記事を読んでいただいたあなたには
是非とも、「ホンモノの情報」を知っていただき
運動らしくない運動療法を実践していただきたく思います(^^)/
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【今日の自分への問いかけ】
あなたが今している「ちょこちょこウォーキング」には何がありますか?
少しでもじっとしている時間を減らすだけで、わたしたちの血糖値は絶え間なく
燃焼しているのです。買い物や犬の散歩だけでも全然十分なんです。
この際に、先ほどお話しした「姿勢」に気を付けるだけで、効果はグッと上がります。
極論すれば「1日のうちでじっとしている時間を減らしてしまえばいいんです」
今日からできる、新しい運動習慣を是非とも始めてみましょう!(^^)!
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