合併症理解のために覚えてほしいたったひとつの公式
みなさんこんにちは(^^)/
北習志野えんどう内科 院長のえんどうです。
今日のテーマは糖尿病患者さんの悩みNo1.である「合併症」です。
糖尿病は、合併症さえおこらなければ1%も怖くない病気です。
風邪のように自覚症状があるわけでもなく、健康な人と何ら変わらない生活が送れます。
今回から数回に分けて、
糖尿病最大最強の問題である合併症のお話をしていきますので
バッチリ学んでいきましょう。
糖尿病が引き起こす合併症には、脳梗塞や心筋梗塞や癌といった聞きなれた病気から、
足壊疽や歯周病といった聞きなれないものまで大小様々あります。
その中でもよく聞く、3大合併症について数回に分けて解説をしていきたいと思います。
と、そのお話の前に・・・
ここでひとつ、とっても大切な公式を書いておきますので、丸暗記してください。
今日なにかひとつだけでも学んでほしいとしたら、間違いなくこれです。
いいですか・・
糖尿病=血管の病気
この公式はメチャクチャ大切です。
なぜなら、合併症のほとんどはこの公式で説明できてしまうからです。
ヒトのからだは、膨大な数の細胞の集合体といえます。その数37兆個。
一つ一つの細胞が必要としている酸素や栄養素は、血液によって送り届けられています。
ですから血液の供給路である血管は、いわば“からだのライフライン”といえます。
細胞には心臓や目、脳や手足などはもちろんのこと
熱い・冷たい・痛いなどを感じる「神経」も含まれます。(※神経障害のお話で詳しくします)
わたしたちのカラダに流れている血管の長さは頭の先から足先まで合わせると
その長さ、およそ地球2周半(≒10万キロ)の長さ(人体ってすごいでしょ!)
この血管には、脳や心臓のように太い血管から、眼や腎臓に流れる細い血管まで様々です。
その「血管」に障害が発生してしまうと、血管はボロボロになり
そこから先の細胞へ栄養や酸素を届けることができずにその細胞は死んでしまいます。
とっても恐いですね。
では、なぜ糖尿病になると血管がボロボロになってしまうのでしょうか?
おさらいなのですが。
糖尿病とは、
「血管の中に余分な糖分がたまって、血液の流れを悪くすることによっておこる病気」
のことです。
(※イメージとしては、砂糖水のようにドロドロした液体が血管の中を流れている状態です)
ここで大切なことは
1)糖分自体に血管をボロボロにしてしまう作用があること(鬼のイメージ)
2)糖分と細胞内のタンパク質が結合してパワーアップして血管をボロボロにすること(鬼が金棒を持つイメージ)
です。
ちょっと想像してみてほしいんですが、
ただでさえボロボロにされた血管の中身が、ドロドロの砂糖水のような流れの悪い状態です。
(ヘドロがたっぷりこびりついたパイプに砂糖水が流れているイメージです)
これでは、わたしたちの臓器の細胞に
必要な酸素や栄養がスムーズに送りにくくなることが容易に想像できると思います。
はい。
ここまではよろしかったでしょうか?
糖尿病=血管の病気=血管病
いつのまにかひとつ“=”が増えましたが(笑)
まずはこれを頭に叩き込んでください。
では、続けます。
全身にネットワークを結んでいる「血管と神経」が、血糖値の高い状態が続くことで侵され、
適正な栄養の供給が途絶えて、全身の臓器にさまざまな障害が起こってくるのです。
これが、糖尿病で合併症がおこってしまうメカニズムです。
糖尿病の合併症には、大きく分けると
細い血管にみられる合併症(細小血管障害)と、
太い血管にみられる合併症(大血管障害)の2つがあります。
細い血管には、眼・腎臓・神経 などがあげられます。
【※有名な、糖尿病3大合併症と言われています】
太い血管には、心臓脈・脳・足などがあげられます。
次回以降のお話で、
まずは3大合併症の起こる流れについて
お話をしていきたいと思います。
今日のところは
糖尿病=血管の病気=血管病
だけ理解いただけたらと思います。
この公式が頭に入っているだけで
次回以降のお話はスムーズに頭にはいってくると思いますので。
本日のお話は以上となります。
次回のお話は
「失明原因第1位 糖尿病網膜症」
についてです。
宜しくおねがいします!
北習志野えんどう内科 院長 えんどう