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糖尿病患者さんの40%が合併! 神経障害

【本日のテーマ】
「糖尿病患者さんの40%が合併! 神経障害」


今回のテーマは 「神経障害」です。
合併症のコーナーではこれまで網膜症、腎症のお話をしてきましたね。
今回は3大合併症の中でも最も早期から生じ、
放っておくと下肢の切断大ヤケドにもつながってしまう恐れのある
「神経障害」について、2回に分けてお話をしていきたいと思います。
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おさらいですが、
糖尿病の3大合併症には神経障害、網膜症、腎症があります。

医学部の学生のころ
しんけい、め、じんぞうの頭文字をとって
「しめじ」と覚えさせられました。
(考えた人すごい!って感動したのを覚えています)

これらの3大合併症にはおおよそですが、
生じてくる、”期間の目安”というものがあります。

是非とも覚えておいていただけたらと思います。

神経障害⇒5年前後
網膜症⇒5~7年
腎症⇒7~10年


見ての通り、「神経障害」が一番早いのです。
つまり、眼科で網膜症の診断がすでになされている人は
神経障害もすでに患っている可能性が高いということです。

ですので、網膜症や腎症をすでに疑われている方は
神経障害についてかかりつけの先生に相談をお勧めします。

では、さっそく神経障害の本題に入っていきましょう。

糖尿病によって侵される神経は「3つ」あります!

熱い冷たい、痛いなどを感じる“感覚神経”
歩くために手足を動かす“運動神経”
血圧の調整や消化管を動かす“自律神経”

合併症理解のために覚えてほしいたった一つの公式・・・
覚えていただいていますでしょうか?

そうです。例の ”アレ” です。

糖尿病=血管の病気

神経と血管、一見関係なさそうに見えますが
ここでもその公式が見事に当てはまります。

血管=血液(酸素や栄養)を送るライフラインである!
というお話をしました。

人体におよそ37兆個もあるといわれる細胞の数々。
私たちの細胞1つ1つが、血液によって生かされています。
そして、神経の細胞もその血液の恩恵を受けているのです。

つまり、糖尿病になってコントロール不良が続くと、
神経細胞に血液(酸素や栄養)が送れなくなり
酸欠or栄養失調状態・・やがて神経細胞は死んでしまいます。

神経細胞が死んでしまうとどうなるのか、、、
感覚神経、運動神経、自律神経、
ひとつひとつ見ていきましょう。

1)感覚神経
熱い冷たい、痛いなどを感じる感覚神経。
この感覚神経が死んでしまうということは
これらの働きができなくなることを意味します。

すなわち

熱い冷たいが分からなくなる・・・
・ヤケドしても気付かない、
・正しい感覚が判断できないため
「冷え性」や「足のしびれ」などの異常感覚がでてくる

痛いが分からないと・・・
・ガラスで手を切ったり、画びょうを踏んでも気付かない
最悪の場合、出血多量や傷口から感染化膿してしまい、
その部位が切断になる人も。

メチャクチャ恐ろしいですね。

2)運動神経
わたしたちの手足をスムーズに動かしてくれる運動神経

運動神経がやられてしまうと・・・

筋力が低下し、力が入りにくい、歩きにくい
といった症状が現れ、やがては歩行不能へ。

歩行できないことから肥満につながり、
肥満が糖尿病をさらに悪化させるという
負のスパイラルへ陥ってしまう。

高齢者で歩けなくなることは、
「寝たきり」や「うつ病」にもつながってしまいます。

3)自律神経
自律神経には「心臓の神経」や「胃腸の神経」があります。
自律神経がやられてしまうと・・・

心臓の神経⇒心筋梗塞や狭心症、不整脈を起こしても
      全く気付かないことがあります。
      心筋梗塞を起こした後で、実は重度の糖尿病があった・・
      なんて場合もよくあります。

      糖尿病患者は心筋梗塞を起こすリスクが非常に高く、
      欧米では
      「糖尿病患者の50%が心筋梗塞で死に至っている」
      という報告があります。

胃腸の神経⇒食事の消化不良や下痢・便秘をくりかえす
      食事を楽しくとれないことは非常にストレスですね。

その他、低血糖になっているのに気づかずに
突然意識を失ってバタン!と倒れ、
そのまま亡くなってしまうこともあります。

神経障害の厄介な特徴

それは・・・

網膜症や腎症と違って神経障害は
「なかなか自分では気づけない・・」
ということです。

でも、心配なさらなくて大丈夫です。
そのために、我々糖尿病を専門とする医師がいるのですから。

それでは、
この厄介な神経障害を見極める検査方法について
お話を進めていきます。

検査は大きく分けて
1、主観的な検査
2、客観的な検査  に分けられます。

いずれも、短所と長所があります。
ひとつずつ見ていきましょう。

1、主観的な検査

・腱反射テスト
ゴムのハンマーで、アキレス腱を叩いたり、
椅子に腰掛けた状態でひざの
お皿の下を軽く叩いて、
足がぴょんと跳ね上がるかどうか調べる検査です。

・振動覚検査
振動を起こした音叉をくるぶしの上にのせ
振動の感じ方を調べる検査です。

・知覚検査
皮膚をフィラメントという細長い繊維で軽くつついて、
それを感じるかどうかを調べる検査です。

見ての通り、いずれも本人の主観によって大きく左右されます。
簡単にできるところがいい点ですが、
100%正確な判断というのは難しいでしょう。

2、客観的な検査

・神経伝導検査
刺激した神経に伝わる速さや大きさを、

電気的に調べる特殊な検査です。
結果が数値として出るので、

客観的に神経の状態をみることができます。

・心拍変動検査
心電図をとりながら心拍に変動があるかを調べる検査です。

少し難しいお話になりますが、
自律神経に障害があると、呼吸による心拍の変動が少なくなるのです。
これを数字として拾い上げます。

神経伝導検査と同様に、客観的に神経の状態をみることができます。

客観的に評価ができる検査なのですが、
特別な機械のため、大きな病院でないとできないことが多いです。

大きな病院では、
「長時間待つのは必須」・「紹介状が必要になってくる」
などの敷居もあります。

検査を希望される方は、
かかりつけのお医者さんに相談してみましょう。

はい。
本日のお話はここまでとなります。
神経障害の「基礎知識」と「検査方法」まで
お話しさせていただきました。

いかがでしたでしょうか?

次回は

神経障害の
「予防方法」や「日常生活で気を付けるべき注意点」
についてお話をしていきたいと思います。

北習志野えんどう内科 院長 えんどう
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【今日の自分への問いかけ】
糖尿病3大合併症である神経障害。
神経障害は一番早期から生じ、
下肢の切断や心筋梗塞など、
¨日常生活に非常に大きな影響を与えるもの¨ばかりです。
「足のしびれ」や「冷え」などを感じたら一度は血液検査をしましょう。
糖尿病は進行するともはや歯止めがききませんが
早期から介入さえすれば、全く怖くない病気です。
HbA1c7.0%未満を目標に(^^)/
ぜひ、一緒に糖尿病コントロールを行っていきましょう!
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