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糖尿病神経障害 Part2

【本日のテーマ】
「糖尿病神経障害 Part2」


今回のテーマは 「神経障害Part2」です。
前回、神経障害の「基礎知識」と「検査方法」のお話をさせていただきました。
今回は、神経障害の「予防方法」や「日常生活で気を付けるべき注意点」
について書いていきたいと思います。
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糖尿病が原因で起こる神経障害。
実は、この神経障害にはある2つの特徴があります。

1つめは、症状の起こり方。
左右対称に、心臓から遠い部分(手足など)から生じるという点です。

なぜそのような特徴があるのでしょうか?

神経細胞への栄養供給は、血管を介して血液から送られる!
というお話を前回させていただきましたね。
血管はカラダの先に行けばいくほど細くなり、
その分栄養や血流が届きにくくなります。

そのため一般的に、
心臓から最も離れた「足の先」から症状が現れ始めます。

症状は
足先のしびれや冷え、足の裏に紙が貼りついたような感覚などです。

腕と手を比べても、
より先端である指先から感覚がなくなったり、しびれたりします。

両手両足(左右対称性)に手袋をつけ、
靴下をはいたような異常感覚から
「手袋靴下型」神経障害と呼ばれています。

2つめの特徴です。
それは、自覚症状のある人はわずか半数に過ぎない
ということ

つまり、神経障害があっても自覚がないため気が付けずに
どんどん進行している可能性があるのです。

そのため定期的に、
糖尿病専門のクリニックへの通院が必要となってくるわけですが、

みんながみんな
糖尿病が専門のクリニックに通えるというわけではありませんよね。

そこで、自宅でも神経障害に気付けるための方法があります。

ここからは、自宅で気付ける神経障害のポイントについて
お話をしていきたいと思います。

先程のお話を思い出してください。

糖尿病の神経障害は
「心臓から最も離れた場所にある¨足¨から起こりやすい」
ということを・・

この特徴を逆手にとるのです。

どういうことかというと
糖尿病の神経障害は足から始まることが多い

つまり!!
¨足¨に注意を向けていれば、
神経障害の早期発見につながるばかりでなく
進行悪化を食い止めることもできる!

というわけです。

では、具体的な方法について見ていきましょう。
その名も「えんどう式フットケア」です。

まずは以下の表で点数をつけてみてください
7点以上、特に10点以上ならば結構マズいです。




自身の現状を把握していただいたうえで
具体的なフットケア方法を以下に記しました。

①足を毎日観察する 
足病変の多くは、足の小さな傷やヤケドから起こります。
それを見逃さないために、入浴時などに
足の皮膚や爪に異常がないかどうかをチェックします。
特に注意したいのは、靴ずれ、皮膚の傷、ウオノメ、タコなどです。

ここから糖尿病の足病変は始まっていくからです。
見つけた際は必ず、かかりつけのお医者さんに報告しましょう。

②毎日、足を洗い、清潔に保つ 
足が汚れていたり、不潔だと
細菌が繁殖し、感染症を起こしやすくなります。
洗うときは、足の裏や指の間など見えにくい部分もきれいにします。

皮膚が乾燥している場合は、保湿クリームを塗ります。
これは、皮膚が乾燥していると、皮膚のバリアー機能がおちて、
感染症にかかりやすくなってしまうしまうためです。

③¨温度¨には敏感になろう!
神経障害によって足先の感覚が低下していると、
入浴の際、高温の湯に足を入れてしまい、
気づかないうちにヤケドしてしまうことがあります。

お風呂の温度は40度前後にあらかじめ調節しておきましょう。

同様に、
ホットカーペットや電気毛布などは暖かさを感じにくくなるため、
温度を高めに設定したり、長時間にわたって使用してしまいがちです。

そのため、低温やけどを起こしやすくなるので注意が必要です。
可能であれば使用を控えるのもひとつの手でしょう。

④靴は足を守ってくれる宝物
自分の足に合った靴を履くこと。
足を守るためのとっても大切なポイントです。
ここで、靴選びのポイントを5つチェックしていきます。

・サイズがあっている
足が大きくなる夕方に履いて選ぶとよいでしょう。サイズだけではなくて、
足のかたち(甲の高さや幅)、足首周りもよくフィットするものをみつけてください。

・踵(かかと)があまり高くないもの
ハイヒールなどは爪先に体重の負担が集中します。
局所的な体重の負担は傷へとつながってしまいます。

・足全体が覆われる
手軽にはけるのがいい点ですが、
サンダル履きなどは怪我のもとです。
海やプールなどに行かれるときも、
少なくとも裸足は控えるようにしてください。

・柔らかくて通気性のある材質
靴擦れ予防のために、
ウォーキングシューズなどの柔らかい材質のものがおすすめです。

足が蒸れないように、通気性もチェックしておきたい項目です。
(蒸れると細菌が繁殖しやすくなってしまう)

最近は、「シューフィッター」と呼ばれる
靴選びの専門家のいるお店があります。
そうした靴選びのプロフェッショナルのアドバイスを受けるのもいいでしょう。

・靴下を履くなら¨白色¨が絶対におススメ!
傷を一早く発見するためです。白色なら汚れにもすぐに気づけます。
汚れやすい部分ほど、感染しやすい場所になります。

⑤爪の切り方
爪は上から見て直線になるように切ります。
深爪は感染の原因になりますので、切りすぎないように注意してください。


最後に、糖尿病神経障害を予防する方法です。
日本糖尿病学会から推奨されている方法を紹介します。

日本糖尿病学会では
糖尿病神経障害の発症や進行には、
以下の6つの要因が関連していると発表しています。

要因それぞれに私の方で解説をつけましたので、
よろしければ参考にしてください。

①血糖コントロールの不良
⇒HbA1cは7.0%未満を目標にしましょう!

②糖尿病を発症してからの期間
⇒糖尿病を発症してからコントロール不良状態(HbA1c7.0%以上)が
5年前後続くと神経障害が出始めます。


③高血圧
⇒130/80mmHg未満が目標です。

④脂質異常
⇒悪玉コレステロール(LDL)が140未満 
善玉コレステロール(HDL)が40以上  中性脂肪が150未満が目標です


⑤喫煙
タバコに含まれているニコチンは、
血管を収縮させたり傷めたりして血液の流れを悪くします。
つまりタバコを吸うことで、血流障害はより悪化、
血流障害の悪化は神経障害の進行にダイレクトにつながってしまいます。


⑥飲酒
厚生労働省が推進する「節度ある適度な飲酒量」は、
1日平均純アルコールで約20g程度です。

女性は男性に比べてアルコール分解速度が遅く、
体重あたり同じ量だけ飲酒したとしても、
臓器の障害を起こしやすいため、
女性は男性の1/2~2/3程度が推奨されています。

さらに、「生活習慣病のリスクを高める飲酒量」を
1日当たりの純アルコール摂取量が
男性で40g以上、女性で20g以上と定義しています。

「先生、、アルコール摂取量が
20gとか40gとか言われてもよく分からないんですが・・」

そう思われますよね!

1日あたりの適正飲酒量を出せる公式!

そんなお酒好きの方には必見の公式を
「糖尿病専門サイト」の読者であるあなただけにそっと教えます。

飲み会などで、
ドヤ顔で友人や上司や後輩の方に教えてあげてくださいね。

当然ですが、度数5%のビールと、度数40%のウイスキーでは
同じコップ1杯でも摂取したアルコール量は全く異なります。

通常、純アルコール量というものは、グラム(g)で表わされ、
アルコールの比重も考慮して以下の計算式で算出します。

お酒の量(ml) × アルコール度数/100 × 0.8(アルコールの比重)
         =純アルコール量(g)


例えば、
アルコール度数5%のビールロング缶1本(500ml)に含まれる純アルコール量は、
500ml×5/100(=5%)×0.8=20gとなります。

アルコール度数15%の日本酒1合(180ml)に含まれる純アルコール量ですと
180mL×15/100(=15%)×0.8≒20gです。

これで20gですので、男性ではこの倍量、女性ではこれ以上飲むと、
生活習慣病のリスクが上がってしまうということですね。

お酒をよく飲まれる方は、一度は自身のアルコール摂取量を
出してみることをおススメします!(^^)!

【まとめ】

はい。
本日のお話は以上となります。
いかがでしたでしょうか?

糖尿病神経障害について
2回にわたって書かせていただきました.

糖尿病の真の恐さは見ての通り「合併症」にあります。
そしてその合併症を予防するにはHbA1cを7.0%未満にすること
が大切と述べてきました。

自覚症状もほとんどなく、症状がでるときは致命的な病気を
引き起こすのが糖尿病の一番厄介なところです。

その「サイン」に気付けるかどうかで、
今後の運命までもが変わってくるのです。

「糖尿病専門サイト」では、糖尿病で悩む方の一人でも多くの力になれるよう
当院で患者さんにお話ししている内容を
できるだけ多く書いていきたいと思います。

あなたの悩みの解決の一助になれば幸いです。

それではまた!
次回のお話をお楽しみにお待ちください。

北習志野えんどう内科 院長 えんどう
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【今日の自分への問いかけ】
あなたは普段は「足」の状態に気を付けていることはありますか。
足のしびれ、痛み、足がつる、などの症状があれば、
もしかしたら糖尿病からのサインかもしれません
今の時期、健康診断が多くの会社で実施されています。
もしもあなたが「血糖値」や「尿糖・尿蛋白」で引っかかった場合
手遅れにならないために、一度は医療機関受診をしましょう。
HbA1c7.0%未満を目標に(^^)/
ぜひ、一緒に糖尿病コントロールを行っていきましょう!
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